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「食いしばり」による不快感抑えストレス減

苦しい時や辛い時、人は自然に歯を食いしばります。日常、何気なく行っている「かむ」という行為が、実はストレス解消に抜群の効果がある事が、最新の脳研究でわかってきました。

2011年3月24日の読売新聞夕刊にこんな記事を見つけました。

同記事によると、

20~60歳代の男女23人に、ヘッドホンで大音量の非常ベルの音を聞いてもらった。すると、全員がこの音を「不快」と感じ、多くが「数分で耐えられず、ヘッドホンを外したくなった」と答えた。続いて、同じ音量の非常ベルの音を聞きながら「ガムをかんで」もらうと、23人中18人が「不快」と感じず、騒音に長く耐えられるようになったのです。

と記されています。これは、決して「不快な音に耳が慣れた」という結果ではなく、「ガムを噛む」ことによるリラックス効果を表しています。

というのも、この実験の最中には、参加者の脳の活動について記録していたそうです。それを見ると、大音量の非常ベルを聞いていただけの時は、扁桃体という、視覚や聴覚などの五感から入った刺激が「快」か「不快」か判断んする部位の活動が活発でしたが、「ガムを噛む」という行為をしながら同じ音を聞いているときは扁桃体の動きが抑制されていたそうです。

星城大学健康支援学研究科教授(脳神経科学)の久保金弥さんは、「ガムなどを噛むと扁桃体の活動が抑えられ、不快という信号が大脳に送られにくくなる。その結果、ストレスを感じにくくなる」と話しています。

皆さんも、試合前や試合中にガムを噛んでいる野球選手やサッカー選手を見た事があるかもしれません。「マナーが悪い」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、選手たちは「ガムを噛むとリラックスできる」と経験的に気づいていたのかもしれないですね。

「食いしばり」や「歯ぎしり」に対して、悪いイメージばかりがあるかもしれませんが、たとえば睡眠中の歯ぎしりも、実はストレス解消に繋がることがわかってきています。「噛む」ということは、血液中のストレスホルモンを抑制し、胃かいようや記憶障害などの予防に効果がある可能性があるそうです。歯ぎしりは、犬歯を中心にこすれるのが理想です。歯に過剰な負担がかかるような歯ぎしりは大きな音がしますが、そのような歯ぎしりが続くときは、歯を痛めてしまったり、肩こりや、頭痛などのストレスに繋がりますので、噛み合わせを調整するなどの治療が必要です。

みなさんも、いま一度「噛む」という事について考えてみてください。