歯周病 インプラントでも!?治療前のケアが大切。
歯周病(ししゅうびょう)とは、歯肉、セメント質、歯根膜および歯槽骨より構成される歯周組織に発生する疾患の総称です。歯の周りにある歯周組織が歯周病菌に感染することで、歯茎(歯肉)が腫れたり、歯茎から出血したり、口臭がしたり、最悪の場合は自分の歯を失う大きな原因となってしまいます。また、自覚症状がほとんど無く、自覚症状が出た頃には元通りにするのが難しいほど進行してしまっていることも多く、【歯周病】という名前は知っていても、なかなか身近には感じられない疾患かもしれません。
日本において歯周病疾患の目安となるのが、歯周ポケットが4mm以上存在していることで、50代の人は、なんと約半数に達しており、8020運動(80歳で20本の残存歯数を!という運動)が推進されていることにより、逆にお年寄りの歯周疾患が増加しているという説もあります。
ちなみに歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス・ワールド・レコードにも載っているそうです。(wikipedia 歯周病ページより)
今回ご紹介する新聞記事には、急速に普及するインプラント(人口歯根)治療によって歯周病・歯周炎と同じような症状になることがある、という内容が掲載されています。
インプラントはチタンでできた土台を骨に埋め込み、その上に人工歯を置く治療方法です。自分の歯の場合は歯と骨の間に歯根膜という天然の細菌バリアの役割を果たすコラーゲン組織がありますが、インプラントにはその歯根膜が無いため、歯茎から骨の方まで細菌が入りやすくなってしまいます。また、細菌が入ってしまってからの症状の進行は自分の歯の場合の数倍から数十倍ともいわれ、患者さんが気づいた時には時既に遅し、せっかく入れたインプラントを抜かなくてはならなくなってしまう人も珍しくないようです。
歯周病を治さないままインプラントを埋め込んだり、その後のケアを怠ってしまうと、歯周病の悪化がとても早くなってしまいます。先ほども記載した通り、歯周病はだれでもかかる可能性のある疾患です。ぜひ、これを機に、かかりつけの歯医者さんで定期検診を受ける習慣をつけましょう。いつでも相談できる歯医者さんがいるというのは、とてもいいことですよ。
ではまた。